不動産用語集

用語の頭文字

あ行

売主

不動産物件を売る人または法人という意味と、取引態様における「売主」という2つの意味があります。
前者は買主売買契約をする相手をいいます。新築マンション建売住宅では不動産業者が売主となっているのが多いが、中古物件では個人が売主になっていることが多くなります。
取引態様における「売主」とは、不動産広告において、その物件が売主と直接売買する取引であることを意味します。取引態様には他に、売主に代わって契約する「代理」、物件を媒介するだけで契約は売主と行う「媒介」があります。「媒介物件」では仲介手数料が発生しますが、「売主」「代理」物件では発生しません。

か行

解約

法律行為の一つで、意思表示により契約関係を消滅させることをいう。

意思表示の時点から将来に向けて契約消滅の効果が生じる。

例えば、借地借家法では、定期建物賃貸借に関して、「やむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する」と規定している。

これに対して、契約の解除は、過去に遡って契約関係を消滅させることであるとされ、例えばクーリングオフによる契約の消滅は、解約ではなく解除による効果である。もっとも、解約と解除が混同されることも多い。

解約に伴い、一般的に、契約当事者は原状回復義務を負うことになる。

建ぺい率

敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。

建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

さ行

差押え

債権者の訴訟によって、国家の執行機関である執行裁判所や執行官が、債務者の財産や権利の処分を禁止することを、差押えといいます。
債権者は、確定判決などの債務名義と執行文の付与を受けて、執行機関に執行の申し立てを行います。その後、不動産の場合では差押え宣告がなされて、差押えの登記がされ、競売が開始されます。
なお、確定判決が出ていないなど、差押えの条件が満たされていない場合は、仮差押の申し立てができます。

市街化区域

市街化区域とは、都市計画の区域内で、既に市街地となっている区域と、概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図ることになっている区域のことをいいます。
この区域では、用途地域が定められ、道路、公園、下水道などの都市施設を整備するとともに、土地利用を規制することによって、良好な都市環境の形成が図られます。

敷金

建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

善管注意義務

取引上において一般的・客観的に要求される程度の注意をしなければならないという注意義務のこと。

すべての取引においてこの注意義務が要求されるものではなく、この注意義務が要求される取引の種類は限られている。

1.善管注意義務の意味
善管注意義務とは、正確には「善良なる管理者の注意義務」のことであり、民法第400条の条文に由来する。
民法第400条では、特定物(中古車・美術品・建物のようにその物の個性に着目して取引される物のこと)の引渡しの義務を負う者は、その引渡しが完了するまでは、その特定物を「善良なる管理者の注意義務」をもって保存しなければならない、と定めている。
この民法第400条の趣旨は、例えば美術品の売買契約が成立した場合に、契約成立後から美術品の引渡しまでの期間においては、美術品の売主は、一般的・客観的に要求される程度の注意義務(すなわち善管注意義務)をもって保管しておかなければならない、ということである。

従って、契約成立後から美術品の引渡しまでの期間に、何らかの事情で美術品が破損したとすると、売主が一般的・客観的に要求される程度の注意義務(善管注意義務)を果たしていたかどうかが問題となる。善管注意義務を果たしていたのであれば、売主には過失がないことになるので、売主には債務不履行責任(民法第415条の責任)は発生しないことになり、破損による損失は危険負担(民法第534条)として処理されることになる。
このように善管注意義務は、その義務を果たしていれば、債務者が責任を回避できるという点に実益がある。

2.善管注意義務が要求される場面
民法第400条では、特定物の引渡し前に善管注意義務が要求されると規定するが、これ以外にもさまざまな民法の条文で善管注意義務が要求されている。
具体的には、「留置権にもとづいて物を占有する者(民法第298条第1項)」「質権にもとづいて物を占有する者(民法第350条)」「委任契約の受任者(民法第644条)」などである。

3.善管注意義務よりも軽い注意義務
民法では、善管注意義務よりも軽い注意義務を要求する場合がいくつかある。
例えば、無報酬で物の保管を引き受けた者(受寄者という)は、その物の保管について「自己の財産におけると同一の注意をなす義務」を負う(民法第659条)。
また、親権者は子の財産を管理するにあたっては、「自己のためにすると同一の注意をなす義務」を負う(民法第827条)。
このように「自己の財産におけると同一の注意をなす義務」「自己のためにすると同一の注意をなす義務」と表現するのは、いずれも注意義務の程度が「善管注意義務」に比べて軽いということを意味している。

従って、例えば無報酬の受寄者が保管していた物を、その受寄者の不注意によって破損した場合には、受寄者の注意義務は軽いので、重大な不注意(すなわち重過失)があるときだけ、受寄者は損害賠償責任を負う。逆に、軽い不注意(すなわち軽過失)であるならば、受寄者は損害賠償責任を負わない。

た行

宅地建物取引業

宅地建物取引業とは、宅地(土地)や建物の売買・交換、宅地建物の売買・交換・貸借の代理媒介を事業として行うことをいいます。宅地建物の賃貸業は含まれません。
宅地建物取引業を行うには、免許が必要で、2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣の、それ以外の場合は事務所の所在する都道府県知事の免許を受けます。
宅地建物取引業者は、事務所ごとに一定数の宅地取引主任者を置くことが義務づけられています。また、営業開始に先立って供託所や保証協会に営業保証金を供託する必要があります。どちらの免許でも、営業は全国で行うことができます。その後5年ごとに免許の更新が必要となります。

宅地建物取引士

宅地建物取引士とは、宅地建物取引士証の交付を受けた有資格者をいいます。
少し前までは、宅地建物取引主任者と呼ばれていました。

資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受け、さらに宅地建物取引士証の交付を受けます。登録を受けるには、宅地建物取引に関し2年以上の実務経験を有する者、又は国土交通大臣が認めた者でなければなりません。

宅地建物取引士証の有効期間は5年で、更新には、都道府県知事が指定する講習を受講する必要があります。宅地建物取引士は以下の業務を独占的に行います。
●取引の当事者に対する重要事項の説明
重要事項説明書の内容確認と記名押印
●「契約書」の内容確認と記名押印
宅地建物取引業者は、事務所ごとに一定数1/5以上の割合で成年の専任の宅地建物取引士を置くことが義務づけられています。

第1種低層住居専用地域

第1種低層住居専用地域とは、低層住居の良好な環境を守るための地域です。
建ぺい率は30・40・50・60パーセント、容積率は50~200パーセントです。建物の高さは、10または12メートル以下に制限されています。
この地域で住宅以外に建てられるのは、保育所や小中学校、小規模な公共施設、診療所、老人ホームなどに限られます。店舗を兼ねた住宅の場合は、店舗等の広さが50平方メートル以内に限られます。閑静な住宅街が広がり、住環境には最も適した地域ということができます。

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

定期借家契約

平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。

テラスハウス

2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。

取引態様

取引態様とは、不動産取引における宅地建物取引業者の立場の違いです。 取引態様とは、不動産の売買や賃貸の取引を行うときに、不動産会社などの宅地建物取引業者がどの立場で関与するかを示すものです。 取引態様の違いによって、宅地建物取引業者の権限と報酬が異なります。 取引態様には、売主・貸主・代理・媒介(仲介)があります。

や行

容積率

けんぺいりつ

内容

敷地面積に対する延べ床面積の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の述べ床面積が100平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は100%ということになる。

建物の容積率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

 

用途地域

用途地域とは、地域により建築できる建物が制限されているものです。
土地計画法によって12種類が定められ、それぞれに建てられる建物の種類、用途、容積率建ぺい率、規模、日影などが決められています。
用途地域は、さまざまな建物の乱立や乱開発から住環境を守り、住居、商業、工業など、それぞれの地域にふさわしい環境に発展を促そうというもので、周辺環境を知る目安になります。また、長期的な視野にたって決められているので、将来的な住環境を考える参考にもなります。

ら行

礼金

建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。